私学の安全対策
昭和女子大学附属昭和小学校
@.当日の対応
地震緊急通報装置が作動し、30秒前から激しい揺れに対するとりあえずの対処ができた。大きな揺れが収まった時点で、放送などにより大グラウンドの中央へ一旦避難させた。
学校にいた保護者も含め人数確認と名簿の作成を行い、駅などから学校へ戻ってきた児童の掌握にも対処した。小学校校舎の安全を確認した後、学年、学級に応じて教室を指定して緊急の避難所とした。児童に、各家庭に連絡を入れているので安心するように伝えるとともに、近くのパン屋とスーパーから食料を購入し、確保した。学校で保護している児童の家庭には、安否を伝えるとともに可能な範囲で迎えを依頼し、不可能な場合は学校で宿泊させることを確認した。(備蓄のシュラフとマットで宿泊)
下校途上の児童のために、最寄り駅に教員が向かい、残存児童を学校へ戻すと同時に、全家庭と連絡を取り、所在が確認できていない児童を特定した。該当の家庭からは安全が確認できた時点で学校に連絡を入れてもらった。
※最終的に校内に宿泊した者:児童27名、保護者12名、教員15名
A.翌日からの対応・連絡
地震の翌日(12日)、宿泊の児童と保護者は午前中に帰宅完了。同日に、14日(月)1〜5年生は臨時休校する旨を各家庭にメール配信。その後、原発事故発生を受け、6年生も休校を決定し家庭に連絡。この処置により計画停電初日の交通混乱から児童を守ることが出来た。
14日(月)、学校から連絡があるまで全校自宅待機の旨、メール配信。
15日(火)、18日までの臨時休校を決定し、家庭に周知するとともに、家庭での児童の様子についてアンケートを実施。
18日、計画停電の影響を最小限に出来る時程で次第や参加人数を変更し、21日に卒業式を挙行することを決定。23日に予定されていた修了式も予定を大幅に変更し、保護者とともに登・下校することで実施することもあわせて決定し、全校家庭にメールで連絡。
※21日、23日とも地震による退避などで登校しなかった場合は欠席とはしない。(年度末なので持ち帰り荷物については、春期休業中、学校で預かる処置)
B.保護者を最も安心させた対応
地震発生当日、児童の安否情報を家庭に伝達できたこと、学校としての対処の方向を早い時点で家庭に伝えられたことは保護者の方に学校を信頼していただけたのではないかと思う。また、(当たり前だが)帰宅困難になった児童を学校で一晩お預かりできたこと、多くの保護者の方から感謝の言葉をいただいた。
C.安全対策について
本校は都心部と周辺の住宅地区との間にあり、非常時の下校が比較的しやすい立地にあります。児童一人一人が防災頭巾・宿泊用シュラフ・2食分の非常食を常備し、(今回、初めて役に立ちました)、緊急時の炊き出し用アルファ米、釜なども小学校として独自に常備しています。地震については、既に緊急地震通報装置を独自に設置し、今回の震災では激震の30秒前から放送で全校に予告することができました。各家庭との情報伝達も、サーバーを2系統持つ信頼性の高いメール配信システムを使っています。今後は、床敷用のマットやタオルの備蓄、停電に備えた非常用発電システム、タンクを利用した緊急水源の確保など今回の震災を教訓に、なお一層安全確保に努めてまいります。
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