コラム
小学校受験 早生まれは不利?
〈早生まれの子の小学校受験について〉
小学校受験において、早生まれが不利かどうかと気にされる保護者の方は多いと思います。
小学校によっては早生まれが不利にならないような試験をしているところもあります。生まれ月によって問題が少し変わる小学校もあれば、問題は同じでも月ごとのグループで考査をする小学校など、その学校によって様々です。しかしながら、全ての小学校において考慮されているわけではありません。そのため、早生まれを言い訳にしない受験準備をしていく必要があります。
富士チャイルドアカデミーのテスト会から見える傾向
ところで、実際に早生まれだとテストの成績においてそうでない子たちとの差があるのか、富士チャイルドアカデミーの公開テスト会のデータをもとに傾向を調べてみました。
結論から言うと、初めのうちは明確な差がありますが、9月、10月位にはその差が限りなく0に近くなる傾向があります。
富士チャイルドアカデミーのテスト会では、4月2日~7月31日生まれをグループA、8月1日~11月30日生まれをグループB、12月1日~4月1日生まれをグループCと、月齢別に3グループに分けてデータをとっております。
1月のテスト会では、この3つのグループ間で明確な差があり、毎年、グループA(4~7月)とグループC(12~3月)では10点以上の差があります。
直近の2022年度1月のテスト会では、グループA(4~7月)とグループB(8~11月)で7点ほど、グループA(4~7月)とグループC(12~3月)では12点ほど、平均点の差があります。
その後、まずグループA(4~7月)とグループB(8~11月)の差がうまっていきます。だいたい5月ごろくらいからグループA(4~7月)、グループB(8~11月)の差がなくなります。
グループC(12~3月)の平均点の上昇はゆるやかで、5月ごろは、まだグループA(4~7月)と7点以上の差があることが多いです。しかし、夏明けの9月、10月位に差がかなり縮まり、年にもよりますが、グループA(4~7月)との差は2~4点ほどになり、分野によっては上回ることがあるという感じに落ち着きます。
そのため、しっかりと学習をしていた子であれば、早生まれであっても不利になるとはいえません。
差が開きやすい項目
ただし、最後まで月齢別で点差が大きくでていた項目が2つあります。
それは、ペーパーにおいての言語分野の問題と、行動観察です。
言語問題においては、 他のペーパー問題では差がほとんどなくなっているのに対し、この分野では明確な差が毎年あります。
2022年度10月のテスト会においても、グループA(4~7月)やグループB(8~11月)はどちらも得点率が60%なのに対し、グループC(12~3月)の得点率は45%にとどまっておりました。
行動観察においては、早生まれの子の点数がとれないというよりも、グループA(4~7月)の子たちの最低点が高く、点数を落とす子が少ない傾向にあり、それに比べグループC(12~3月)は点数の幅が広く、受験に向け仕上がっている子もいるが、まだ仕上がっておらず幼いままの子が多いです。
この2項目はどうしても勉強面以外の経験差が影響してしまいます。そのため、日ごろからきちんとした言語によるコミュニケーションをとることなど、意識してこの弱所をなくしていくことが大切です。
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