人の話を聞かない子供を「話を聞ける子」に育てるには

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人の話を聞ける子に育てるには - マスターからのアドバイス

きちんと話を聞ける子になって欲しい。親は誰でも我が子にそう望みます。でもどうすればそんな子が育つんでしょう。現実の我が子を見るといつでもウロウロソワソワ。人の話は聞かずに自分勝手なおしゃべりばかり。これはもう、この子の性格かしら・・・?なんて思ってしまいますよね。
でも、人の話を聞けるかどうか、それは性質や性格上のことだけで片付けられる問題ではありません。生活習慣やお勉強と同じように周りの大人達が意識を持って育んであげるべき大切な能力なのです。

子どもの話、聞いてあげていますか?

授業前、年中児の子どもにこんな質問をしました。
先 生「あなたにとって、悲しいことは何ですか?」
子ども「・・・」

子どもは黙ってしまいました。普段どんなにおしゃべりな子どもも口をピタリと閉ざしてしまうのです。
‘あなたにとって’ ‘悲しいこと’・・・子どもは先生の言葉をどれだけ理解できたでしょうか、受け取った言葉を自分の心の経験と重ね合わせることはできたのでしょうか、そしてそこから生まれた答えをふさわしい言葉で表現することはできるのでしょうか?

何人かの子どもに質問を繰り返すうち、こんな答えが返ってきました。
子ども「ぼくのことを悪く言うお友だちがいるとき」

見事な答えだと思います。この言葉からはこの子の心の世界が見えてきます。先にあげた心のプロセス、「言葉の受け取り」「心の判断」を行い、そして出てきた答え=自分の気持ち、を見事に言葉で再構築してみせてくれたのです。

相手の話を聞くことができるか

それはその子の持っている言語能力に大きく左右されます。上手にお話ができる子は上手にお話を聞くこともできます。気持ちを言葉によって伝えることができる子どもは相手の言葉も大事にします。言葉に込められているものを知っているからです。聞き上手な子どもをつくる為には、まずお話し上手な子どもをつくりましょう。お話し上手と言っても身勝手に話すのではなく、聞き手の存在を念頭におき、伝えようという意識をもって話させることが大切です。そのためには熱心な聞き手が不可欠です。そして子どもの話の聞き手として一番ふさわしいのは誰よりもお母様なのです。

子どもにとって母親は一番の味方であり、安心できる存在です。どんなに無口な子どもでも、お母様になら伝えたいことをたくさんもっています。おしゃべりな子どものお母様は時には‘もう少し静かにしていてくれないかしら’と思われることもあるでしょう。でも、子どもの話を聞き、それに適切な受け答え=返し、をしていくことで子どもの言語能力はグングン伸びていきます。

体の成長と違って心の中の言葉の世界のような、目にみえない能力の成長への配慮を、私たち大人は時としておろそかにしてしまうようです。でも、言葉の発達は知能の発達・情緒の安定に大事な役割を担っています。気持ちを言葉で表現することができるようになった子は、感情が安定し、ぐんと大人びてくるのです。

‘聞きたくなる’話し方があるんです

話を聞けない子どもをつくるにはどうしたらいいか知っていますか?
‘聞ける子ども’をつくるのと違ってこれはとても簡単です。ガミガミ、クドクドの‘うるさい’お母様になればいいのです。試してご覧なさい、とはいえませんが、これをすると子どもはいっぺんで、聞けない子どもになってしまいます。

富士チャイルドに来られたある親子のお話です。子どもさんは幼稚園の女のお子さんで、彼女は少しのんびりやさんのようでした。それに対してお母様は何でもテキパキとこなす方。ゆっくりとした我が子の動作にどうしてもイライラとしてしまうのです。お教室への送り迎えの僅かな合間にも、「ホラ、ああしなさい、こうしなさい、どうしてさっさとできないの」とひっきりなしにおっしゃいます。子どもはと見るとうるさそうな顔はしていますが、どこか他人事の顔。私には、お母様の言葉が子どもの頭のまわりをフワフワと漂っているのが見えました。

お母様はイライラしても、お子様にその不満を言ってしまうことで、ある程度気がすんで、楽になれます。それでもどかしく思うたび、ついつい口やかましくなります。でも子どもはどうでしょう。4、5歳の幼い言葉では対等に言い返すこともできず、かといってその全てを聞いていたら幼い心はつぶされてしまいます。子どもは防衛の手段として心の耳を閉じました。お母様の言葉を素通りさせることで自分を守っていたのです。人の言葉を聞き流す癖のついてしまった子との授業は大変でした。言葉に聞く価値を見出せずにきた子どもは、私の言葉にもあまり注意を払いません。私は先ず、子どもとの信頼関係を築くことからスタートしました。

そしてまた。この子が本当に変わっていくためには、お母様に変わって頂くことが不可欠でした。私は先ずお母様に、私の見た現在の親子関係をそのままお話ししました。そしてこのまま行くとおちいってしまうであろう将来の親子関係についても申し上げました。お母様はハッとしたようですが、理解して下さいました。子どもに注意したいことが10あっても1だけ言う、大切なことだけ言う、その時にも常に子どもとの信頼関係を結んでおくことを忘れない。お母様の変化とともに子どもも少しづつ変わってきたようでした。

一方授業では、ムダな言葉を省き、子どもが静かに考えられる時間をつくりました。そして何よりもこの場にいることへの安心感を与えていくことを心がけました。表面的ではなく、そのままのその子を受容していくという気持ちは相手との信頼関係を高めます。そうして少しづつ子どもの言葉をひきだし、瞳をみて彼女の話を聞いてあげる努力を続けていくうち、彼女は少しづつ言葉の受け渡しに心を込めることができるようになってきたのです。

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