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- 東京農業大学稲花小学校 校長 杉原 たまえ 先生
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2026年02月27日
本日は、東京農業大学稲花小学校 校長 杉原 たまえ 先生 に、二子玉川教室にお越しいただき、お話を伺いました。
インタビュアー 富士チャイルドアカデミー 校長 前 宏美
■東京農業大学副学長というお立場から、さらに農大稲花小の校長先生になられ、児童を外から見ていた時と、小学校の中から見た時と、印象が変わったことがありますか。
杉原先生:東京農業大学世田谷キャンパスの中には、小さな森や段々畑があります。登下校の子どもたちが、その中で木の実を拾ったり、青虫の観察をしたり、ダンゴムシを捕まえたりする姿は、以前から日常的に見かけていました。今年度からより間近で子どもたちに触れ合うようになり、子どもたちの生き物好きは生来の特性だけでなく、農大稲花小の農学に基づく体験によって育まれてきたということを実感することができました。その小さな姿から驚くほど知的好奇心にあふれた言葉が飛び出してきたり,農作物や生き物を一生懸命に育てるやさしさに接したり,友だちと手をつないで校庭を元気に走り回る姿を見たりすると,気づけば私のほうが子どもたちから活力をいただく毎日です。
■このおよそ1年間の児童さんたちとの触れ合いの中で、印象的だった出来事がありましたら教えていただけますか。
杉原先生:着任して間もない頃、学校近くの畑でナスの生育状態を観察するという、2年生の授業に同行しました。畑に到着し、担任の先生が「それでは、観察を始めましょう」と一言告げるだけで、子どもたちは、草丈を測定したり、葉数を数えたり、葉の匂いを嗅いだり、定規や指を広げて長さを測定したり、思い思いの方法で観察をし始めたのです。「観察」は「研究」の最初の一歩。もう「観察する」ということが分かっているのかと驚いたことが、印象深いです。
■杉原先生のご専門を、小学生に向けて、どのような場面で生かされていらっしゃるのでしょうか。
杉原先生:私は東京農業大学国際食料情報学部 国際農業開発学科という学科で、「農村開発社会学」を専門として教育・研究に取り組んで参りました。具体的には、途上国や国内外の農村を対象に、地域の慣習を活かした農村開発や、社会的困難を抱えている人々(女性・子ども・障害者など)と農村開発、未利用資源の利活用といったテーマに取り組んでいます。そうした研究の中で、たとえば、人と人が信頼や規範のもとに関わり協調していくことで、社会のあり方をよりよくしていく「社会関係資本」という概念がありますが、小学校も、1つのコミュニティとして捉えれば、どのように集団を導きそのなかでどのように個々の力を育んでいくかということにその概念を展開することができます。大学での農学をベースにした研究テーマと小学校の教育現場において共通する概念がたくさんあるなと感じつつ、子どもたちやご家庭と接しています。
■昨年3月に1期生が卒業し農大稲花小から巣立っていきました。今後の課題として、農大稲花小の6年間でどのような力を身につけて卒業させたいとお考えですか。
杉原先生:1期生の多くは、隣接する東京農業大学第一高等学校中等部に進学しましたが、中等部の先生たちからのお話によりますと、本校が教育方針とする「3つの心(感性、探究心、向上心)と2つの力(コミュニケーション力、体力)」の育成、それと、それらを実現するためのより具体的な教育指標「10の能力(興味・関心、創造力、問題解決力、習得力、主体性、目標設定力、発信力、傾聴力、持続力、自律力)」については、一定の成果をあげられているようです。とはいえ、開講して7年目の小学校ですので、体制を整えていかなければならないこともございます。基礎学力の定着についても、引き続き丁寧に取り組んでいく必要があると思います。
■多くのお役目、お立場がありさぞかしご多忙の日々と存じます。大学では、そしてお休みの日は、どのようにお過ごしですか。
杉原先生:校長を兼務する前ほどではないですが、研究のためのフィールドワークに院生・学生と出かけたり、研究指導の時間にあてたりしています。
本日はご多忙のところインタビューにお答えいただきありがとうございました。
杉原 たまえ 先生 プロフィール
2025年4月より、東京農業大学稲花小学校 第2代校長
2025年4月より、東京農業大学副学長
東京農業大学 国際食料情報学部 国際農業開発学科 教授
「国際農業開発学科」は、海外の途上国や途上地域において、農村開発に資する人材を育成する学科です。
国内では、沖縄をはじめとする南西諸島を、国外では南太平洋島嶼国(トンガ等)を研究フィールドにしています。
「農村開発社会学」を専門としており、地域の様々な慣習を踏まえた農村開発や、見過ごされてきた有用資源の活用などのテーマに取り組んでいます。また、社会的困難を抱えている、例えば女性や子ども、障がいをもった人たちの農村開発による社会的包摂、という課題に取り組んでいます。
大学における研究課題の一つである、コミュニティの中での人材育成については、小学校の教育現場でも共通する概念がたくさんあると感じています。
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