先輩からのアドバイス vol.3 家庭での学習について|富士チャイルドアカデミー

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父親講座

先輩からのアドバイス vol.3 家庭での学習について

☆vol.3  家庭での学習について

今回は、「日常生活の中で学んでおきたいこと」についてお話したいと思います。

「小学校受験は親の受験であった」と、改めて思いました。
いろいろな試験方法がありますが、iいずれも子供の回答や行動を通して、親がどのように子供を育ててきたのかを見ているのだと感じます。

ペーパー試験用の学習では、ただ答えを教えるのでなく、解き方、考え方、問題の趣旨までを、子供に理解させるように心がけました。

生活面では、日常生活の中で、交通規則やマナーなど、子供に手本を示しつつ、一緒に確認しながら覚えさせるようにしました。

子供の資質面では、大人が見ている時でも、見ていない時でも、裏表のない素直な心の子供でいられるように、大人の世界の建前はできるだけ見せないように注意して過ごしました。

【文化や自然を大切にする心】

試験では、絵や写真を見て行事や季節を答えるのみですが、問われているのは日本文化や自然の中に生きていることを学び、大切に思えるようになるための前提知識ではないかと思います。教材や本で知識を得るだけではなく、可能な限り直接触れながら、実体験の思い出として記憶することを重視しました。

■年間行事

お正月、母の日、七夕などの年中行事は、年少の秋(年中コース)から学習を始めると2巡することができます。その機会を大切にし、実際に行いながら覚えていきました。供え物や飾りなども、できる範囲内で作ったり飾ったりしながら、記憶に残るようにしました。

■季節/自然・動物

生活の中で、季節の花・風景・渡り鳥・昆虫などに触れる機会があった時には、一緒に楽しみながら特徴などを確認し、知識ではなく経験になるようにしました。

直接試験には関係がありませんでしたが、息子が月の満ち欠けや天体に興味を持った時期がありました。少し難しいとは思いましたが、できるだけ噛み砕いて説明をしたり、実際に暗闇でボールに懐中電灯を当てて見え方を確認し、太陽と地球・月の位置関係について実験をしたこともありました。子供が疑問を口にしたときは、知識や経験を蓄える良いチャンスと考えました。

動物園や水族館にも何度も足を運びました。同じ施設であっても、行くごとに新たな発見がありました。

■日本語の理解力と実践力

試験の種類(ペーパー、行動観察、面接など)に関わらず、本番では相手の言葉を理解することが必要です。まったく同じ問題であっても、出題者によって説明表現が異なることを意識して、いろいろな設問文で出題するようにしました。どのような表現で出題されたとしても、子供が理解できなければ回答することができません。

幼児教室でも、言葉を変えて理解するトレーニングを沢山して下さいました。それでも、テスト会の答え合わせをしていると、普段解いているのと同様の問題なのに正解することができず、「問題の意味がわからなかった」と言っていることがありました。1回の質問(=1種類の設問文)で、問題の意味を理解することが大切だと感じました。それをきっかけに、日常生活の中でもいろいろな語彙を用いて話をすることを心がけました。

年長の夏ごろになると、家庭での学習中でも本番同様に「問題は1回しか言わない」というルールを作りました。その1回を集中して聞き、何を問われているかを理解させるようにしました。

併せて、指示された通りに即時に実践できる力も試されていると感じました。
入学後、先生の指示に従って適切、かつ迅速に活動に入ることができるかどうかは、1つの大きな合否基準なのではないかと思います。

【模擬試験も学習機会】

模擬試験から帰宅し、その日の夜に子供からテスト問題を教えてもらうようにしました。
最初は、どのような問題が出たかを聞いても答えられなかったので、「こんな問題出た?」と過去に練習した問題の例を挙げながら確認し、出題されたかどうかを答えさせました。
回を重ねるうちに、自分からどのような問題があったかを報告できるようになり、さらに、出題順とともに「1番は○○の問題、2番は××の問題・・・」と言えるようになりました。
この辺から、問題文を理解できている手応えを感じるようになりました。

また、結果が返ってくる以前におおよその得点や課題点を把握することもできるようになりました。
試験を受けた直後の子供は、正解が何であったのかについて、とても興味を持っています。
答えが間違えていたのではないかと予想した時には、問題の意味や考え方について相談するようなつもりで課題点を修正しました。結果をもらった時には「やっぱりここが間違っていたね。でも、次はできるよね。」と確認だけをするようにしました。
そのため、我が家では得点や判定を気にすることはあまりありませんでした。

【副教材の利用】

受験を考え始める以前に、「飽きずに繰り返し遊べるおもちゃ」として購入した知育玩具が、結果的に大変役に立ちました。

学研の図鑑(ポケット版 全12巻)

子供の疑問に答える時に一緒に調べたり、実物を見せらせない物を写真で確認したりする時などに大変役に立ちました。

名作本(日本昔話100選・世界の昔話100選)

一時期、寝る前に読み聞かせをしました。試験では、物語を知っていることが前提の問題が出題される可能性があります。

知恵の積み木(エジソンクラブ)/図形パズル(新村教育研究所)

ペーパ試験の図形問題を解くために役立ちました。
特に、平面に描かれた立体図形では、見えない部分がどうなっているのかを想像して答える必要があります。普段から触れていたためか、一度も説明することなく、立体イメージを捉える事ができるようになりました。

折り紙の本

折り紙は手先が器用になります。
待ち時間に折り紙を折らせ、巧緻性や静かに待てるかどうかを観察する学校もあるようです。

試験を終えた今、振り返ってみると、ペーパー問題を繰り返し解くことよりも、自然や人間の中で生きるために必要な力を少しでも多く身につけさせることに比重を置いていたのではないかと思います。そのことが、結果的にペーパー問題を解くための基礎力につながっていきました。

子供に、多くの経験や生活に根差した知識を蓄えさせるためには、両親のみならず、祖父母など周囲の大人のできる限り大勢が、それぞれの得意なことや良く知っていることを子供に伝えて行くのが一番なのだと感じます。

試験では、それらがさまざまな形で問われるのですが、本当に見られているのは「これから生きる力を高めるために、今までどのような基盤を築いてきたのか」なのではないでしょうか。

【小学校受験の本質に迫る内容でした。本当に小学校受験は親の受験といえるでしょう。次回は『学校選択について』です。どうぞお楽しみに!】

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