父親講座
先輩からのアドバイス vol.5 入試準備(願書作成、面接、直前の過し方)について
☆vol.5 入試準備(願書作成、面接、直前の過し方)について
今回は、学校選択が終わり、夏以降の過ごし方について書きたいと思います。
■夏休み
夏休みは、夏期講習などでスケジュールが詰まっており、受験準備も最後の追い込みとなります。夏期講習や学校別の直前コースの最終日には模擬テストも行われます。成績に一喜一憂して、ご両親の不安や心配もピークに達する頃だと思います。
我が家の受験は、「子供を追い詰めてまではしない」と決めてありましたが、学校別直前コースのテストで学校別の対策ができていないことが判明し、親の心配がピークに達しました。その気持ちを息子は敏感に感じ取り、何となく不安定な状態になってしまいました。
「これでは、いけない」と、まず親が穏やかな気持ちで過ごすように努めました。親が心配を隠して落ち着くことで、息子の気持ちも少しずつ落ち着いていき、試験の直前頃には、自分から今日の学習目標を言いだしたりして、積極的に取り組むようになりました。
お盆の頃の一週間は、お教室での勉強がお休みで、受験を控える家族にとっては、唯一ゆっくり過ごすことのできる期間です。我が家は、勉強から完全に離れて、中国地方の島へ旅行しました。
毎日、海水浴や海釣りをしたり、山にカブトムシを捕まえに行ったりしました。釣った魚は自分たちで調理して食べ、捕まえたカブトムシは自宅まで連れて帰って飼育を続けるなど、自然に触れ合いながらいろいろなことを体験したり、観察したりして過ごすことができました。
■願書作成について
いよいよ願書の配布も始まり、入試モードになってきました。
我が家では、私たちが今まで学校見学してきたことなどを踏まえ、志望動機などを口頭で話し合い、妻が家族の意見を願書にまとめました。
お教室でのご指導により、願書には学校の良いことを記述するのではなく、私たちの家庭を知っていただくことができるように、日常生活や家での教育方針を中心に記述するようにしました。そのことにより、我が家と学校の教育方針が一致していることをアピールしました。
学校によって、願書の記述欄が大きかったり、小さかったりしていましたが、読みやすい文字の大きさで、欄内に書くことができる分量に合わせて、伝えたいことをまとめるようにしました。
このまとめる作業に、妻はとても苦労していました。
どの学校に提出する願書でも、家庭生活や家での教育方針に書きたいことは共通なのですが、学校説明会の中で捉えた「各校のキーワード」や「目に留めていただけそうな表現」を学校ごとに選択して埋め込むようにしました。
■面接について
幼児教室での面接テスト会は、初夏と秋の2回とも申し込みました。
1回目の模擬面接は、私と子供は文字通り「ボロボロ」でした。
私は、緊張と準備不足で質問と答えが一致していないことがありましたし、子供も何を答えたらよいかわからず、答えるまでにかなり時間がかかってしまいました。ちなみに妻はほめられていました・・・
評価票や、お教室の先生のアドバイスをもとに、面接対策の本も参考にして、一般的にどのようなことが聞かれやすいのかを一覧表にまとめました。
それに対してどのように答えるのかを夫婦で話し合っていき、回答内容を記載して覚えるようにしました。
この一覧表を作成する際のポイントですが、同じ質問であっても学校別に答えを変える必要がある部分と、どの学校にも同じ内容を答える質問をきちんと分けることが大切です。
例えば、志望動機や家庭の教育方針は、家庭から見れば共通なのですが、それが「学校のどのような部分に一致して、あるいは共感して、お世話になりたいと考えているのか」が学校が知りたいポイントです。
それは、複数の学校に使いまわしのできる内容ではなく、願書と同様にそれぞれの学校にアピールできるキーワードなどを埋め込んで作成しました。
2回目の面接テスト会では、作成した一覧表の回答を覚えるなどの準備をしてから臨みましたが、それでも面接官の意図がつかめなかった質問に対して、ちぐはぐな内容を答えてしまったものがありました。
全国統一模擬試験の学校別模試では、受験校ではありませんでしたが、面接のある学校の模試にも挑戦し、両親面接を受けました。
このときは少し場馴れしてきて、お教室の面接テスト会よりはよく出来たと思います。
面接官にも「自分の言葉で話していて、とても良かったです。」と初めて褒めていただくことができ、本番に向けて自信をつけることができました。
受験本番の面接では、各校とも先生方が緊張をほぐすように気を遣って下さいましたので、テスト会や模試よりも落ち着いて答えることができましたが、それでも緊張のせいか、質問の意図を間違えて応対してしまいました。
■直前の過ごし方について
夏期講習も終わり、9月に入ると、本番の試験を想定した勉強に切り替えていきました。
お教室で頂いた志望学校の対策問題を、時間を計りながら再度解きました。問題を聞くときは集中して聞くこと、答案用紙を見たらわかる問題から取りかかり、難しい問題を最後にやることなどを指導しました。
また、同じ問題文をいろいろな日本語で表現しながら、どの言葉でも問題の意味が理解できるように練習をしました。
巧緻性問題の対策として、市販の教材を使い、1日に一個ずつ、はさみ・のり・クーピーなどを使って作る簡単な工作を行いました。受験対策ではありましたが、物を作ることが好きな息子にとっては
完成の喜びを味わうことのできる楽しい時間でもありました。
入試の一週間前、園のクラスでは新型インフルエンザが流行しはじめてお休みする子供が増えてきたため、息子を試験終了まで休ませることにしました。
その一週間は、入試時間に合わせて午前中の2時間、気合を入れて勉強をし、午後2時間ぐらいは昼寝をして休ませ、子供が意欲的な日には、また夕方2時間くらい勉強をしました。
試験を想定し、受験しない学校も含めていろいろな学校の過去問題を解いたり、工作をしたりしました。
過去問題は、そのままでは出ないと考え、いろいろなパターンに変えて幅広く対応できるように学習をしましたが、自信を失わないように簡単な問題を中心に取り組むようにしました。
■最後に
今までお伝えしてきたことが、すべてのご家庭に適しているとは思いませんが、我が家はこのような準備を経て、全受験校から合格を頂くことができました。
お教室も、子供が嫌がった時点で止めさせるつもりで入室してから2年、どんなにつらいときでも、息子は一度も「行きたくない」と言ったことがありませんでした。息子にとってのお教室は、新しいことをどんどん教えてもらえる、とても楽しい場所だったようです。
すべての試験が終了後、息子はお教室が終わってしまうのならば、新しい学習材料が欲しいと言い出しました。1年生の算数と国語のドリルを買ってやらせてみましたが、例題を一緒にやった後は一人ですらすら解いています。
基礎力が付いていることが実感でき、安心致しました。
祖父母や友人などとの間で小学校受験の話をする時、相手が小学校受験に対して情報を持たない場合は、「子供を型にはめて育てるのは良くない」「早くから知識を詰め込み過ぎるのはどうか?」などの心配を頂くことが度々ありました。
しかし、我が子を見る限りは、世間一般がイメージする「受験をするような良家の子息」のイメージは皆無で、園でも他のお子さんと全く変わらず、毎日伸び伸びと生活しています。
一方で、園生活だけでは知り得なかったであろう”勉強することの楽しさ”を知り、学習意欲に満ち溢れている状態で今に至っています。
息子自身が選んだ富士チャイルドアカデミーではありましたが、私たちが育てたい子供のイメージの通りに育ってきてくれていることが、何よりもこのお教室にお世話になって良かったと思う点であり、息子に関わって下さったすべての先生方とお友達に感謝しています。
これから受験を迎えられる皆様にとりましても、お子様の個性を大切にしながらご家庭の教育方針に合った受験期間を過ごされますことを願っております。
お子様が心から学校生活を楽しめる小学校とどうぞご縁がありますように。
5回にわたり、つたない長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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